新たなライフスタイルや住まい方として注目が集まるデュアルライフ。リモートワークが普及し働き方も大きく変わる中、デュアルライフを実践する人も増えつつあります。
実際にどんな人が複数拠点生活を実現しているのでしょう。2022年3月に不動産流通経営協会が公表した「複数拠点生活に関する意向調査」から、デュアラーの実態に迫ります。
本調査は日本全国の複数拠点生活の実践者と意向者に対してインターネット調査を行ったものです。調査の概要や調査方法はこちらをご覧ください。
デュアルライフの実施者を年代別にみると、20・30代が実施者全体の3割弱、40・50代が3割強、60・70代が4割弱となり、どの年代も一定数の割合でいることがわかりました。そのうち男性が65%を占めています。
職業について、その内容は多岐にわたりますが、中でも多かったのが本人・同居家族ともに正社員・公務員。特に本人に関しては約45%を占め、数%~15%前後にとどまる他の職業に比べ圧倒的に多くなっています。
世帯年収の平均は764万円。年収は分散していますが、特に年収600万円以上~800万円未満の世帯が多い傾向にあります。個人で見ると、平均年収は509万円。こちらもさまざまな年収の人が分散していますが、年収200万円以下の人が40%を占めているのは興味深い点です。
生活に対する考え方をみていくと、最も多かったのは「やすらぎのある暮らしがしたい」、次が「家族や友人を大切にして暮らしていきたい」で、いずれも80%を超えています。「モノではなく、こころが豊かな人生を送りたい」「他人や社会に干渉されずに行きたい」も70%を超える結果となりました。
デュアラーが実際にどのような生活を送っているかは、最も気になるところではないでしょうか。
まずは、デュアルライフを始めたきっかけから。
“始めたい”と思ったきっかけとして、実施者全体で最も多かったのが「自分の労働条件・労働環境が変わった」で19%が回答。40・50代に限れば25%を超えています。次に全体で多かったのは「住んでみたいと思う地域に出会った」で16.6%ですが、60・70代に限れば21.8%と高く、いずれは終の棲家にしたいという意向もあると予測できます。
一方、20・30代では「結婚した・パートナーと同棲した」が最も高く17.7%。また「友人・知人が複数拠点生活をしていた」も10%という結果になりました。
次に“決定的なきっかけ”です。全体1位は「相続した」で11.8%でした。特に60・70代は19.1%と高い割合を示しています。次が「自分の労働条件・労働環境が変わった」で11.3%。現役世代の40・50代では最も高く、18.1%でした。また全体としては低いものの、20・30代で最も高い数字となったのは「結婚した・パートナーと同棲した」で13.1%でした。
なぜデュアルライフをしたいのか。理由として多かったのは「自分の時間を過ごす」、「自然を感じられる環境で過ごす」、「趣味を満喫する」、「避暑・避寒・癒やし・くつろぎ」など、趣味趣向に関連した項目が目立ちます。特に60・70代のスコアが高いのが特徴です。20・30代では「新しい仕事をする」、40・50代は「会社都合の転勤・単身赴任」など、仕事関連が理由となる場合が多いこともわかりました。
実際にデュアルライフをスタートさせて新たに始めたことは、「自分の時間を過ごす」が最も多く「趣味を満喫する」が続きます。これはすべての年代で高いポイントになっています。また20・30代では「自然が多い環境で、のびのびと子育てする」も同じくらいポイントが高くなっています。
デュアラーの人たちは、現在の生活に対してどれくらい満足しているのでしょう。
生活全般(家庭生活や仕事、趣味、生活に必要な経費など)に対して2割の人が「とても満足している」と答えました。「住居内の居住環境」については、メインの住まい、サブの住まいともに3割近くの人が「とても満足している」と答えており、総合的に「とても満足している」のは2割という結果に。年代別では20・30代の満足度が全般的に高く、特にサブの居住環境の満足度は4割と高くなっています。一方、60・70代は全般的に低い傾向です。
「とても満足している+満足している」をみると、「総合的な満足度」は7割にのぼり、60・70代では8割と高い結果になりました。「家族・家庭生活」も7割と高い満足度を示しています。20・30代は「総合的な満足度」や「家族・家庭生活」が他の年代より低い傾向ですが、「仕事」「生活費」は他の年代より高くなりました。
デュアルライフを実現するにあたり、すべてが順調に進めばいいのですが、やはりハードルはあります。
デュアラーにとって最も高いハードルになったのは、「物件価格」や「維持費」といった費用面でした。20・30年代では「ローンが組めない」ことや「物件探し」に関連する項目を選ぶ人も多くいました。一方で全体の3割が「何もない」と回答。60・70代では4割近い人がそう答えています。
デュアルライフを検討していたり、既に場所を探し始めている人(意向者)に対する調査でも、「物件価格」や「維持費」、「住宅ローンが組めない」など、経済的な側面をハードルと感じている人が多くなっています。
デュアルライフの実施者は各年代で一定数いることがわかりました。そのきっかけは、仕事や結婚、住みたい場所が見つかったなど多岐にわたります。また、年代によっても多少の差は見られますが、デュアラーの多くに共通するのは、モノや時間に縛られず、心豊かに、自分らしい暮らしを求めているということ。
経済的な側面などハードルは少なくありませんが、乗り越えた先にある生活が充実したものであることは、デュアラーの満足度が物語っています。
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・一般社団法人不動産流通経営協会 調査研究
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