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Interviewインタビュー

株式会社LIFULL 地方創生推進部 LivingAnywhere Commons プロデューサー
福島県磐梯町政策課 プロジェクトマネージャー
星 久美子 (ほし くみこ)さん

東北からはじめる好きな場所に暮らし、学び、働ける社会

  • #地方暮らしが好き

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  • #福島県

  • #子どもと一緒に暮らす

福島県会津若松市出身の星久美子さんは、6歳と2歳の男の子を育てながら、3つの仕事をし、東京と福島県磐梯町でのデュアルライフを送っています。

星さんのメインの仕事は、株式会社LIFULL(ライフル)での地方創生推進部の仕事です。全国各地にある施設にいつでも泊まり放題という、定額制サブスクリプションサービス『LivingAnywhere Commons』の拠点開発と活性担当をしています。
現在32か所あるLivingAnywhere Commonsの各拠点は、宿泊場所とワーキングスペース、地域の方と宿泊者が交流できるコミュニティスペースで構成されています。施設には地域コミュニティマネージャーが在籍しており、地域と利用者を繋いでくれる場所です。星さんも会津磐梯拠点を利用し、子供とデュアルライフを実践しています。

2つ目は、LIFULLから在籍出向し、磐梯町政策課のプロジェクトマネージャーとして仕事をしています。磐梯町は全国に先駆けて自治体DXに取り組んでいます。多くの副業人材がテレワークで磐梯町のDXに関わっていることもあり、星さんもテレワークも活用しながら、磐梯町の業務に当たっています。主に担当しているのは「官民共創事業」の立ち上げです。企業と自治体や地域の方々が「なにか一緒にしたい」という時に、星さんが間に入ってそれぞれの話を聞き、双方にとって最大限にメリットを引き出せるようにコーディネートしています。

そして3つ目は、ふくしま12市町村移住支援センターでの仕事です。ふくしま12市町村とは、沿岸部の浜通りを中心とする福島第一原子力発電所の事故により、避難指示等の対象となった自治体が対象です。復興に向けて挑戦するまちに対して、これからのまちを担う人が移住してにぎわっていくように、広報アドバイザーや、市町村の空き家や定住に関する戦略アドバイザーとして活動しています。

3つの仕事を抱えて幅広く活動し、東京と磐梯町間の移動など、慌ただしい生活を送っている星さんですが、「子供たちには田舎での自然や多世代との関わりを感じてほしい」という想いから、お子さんと一緒に行動することが多いといいます。仕事も子育ても、パワフルに動き続ける星さんにデュアルライフと地域の魅力についてお聞きしました。

地域づくりに深くかかわりたいから

「都市と地域を繋げていきたい」という想いから、新卒でLIFULLの前身であるネクストに入社し、新規事業として地域のコミュニティSNSサイトの立ち上げなどに携わりました。
しかし「もっと地域づくりに深く関わりたい」という想いが強くなり、一度LIFULLを離れます。その後、移住支援のNPOで活動。東日本大震災を経験したことにより「東北と人の繋がりを作っていきたい」という想いが生まれ、東日本大震災以降は、復興支援のコーディネーターとして被災自治体と、被災地を支援したい企業とのマッチングに携わったと言います。

震災前から全国の自治体が支援制度を厚くし、移住希望者の誘致合戦になっていることが気にかかっていたという星さん。
「お金や支援制度の手厚さ、憧れだけでは、地域の一員になっていくことは難しい。本当に自分の生き方に合った地域と出会えないと、その人も地域の人も『こんなはずじゃなかった』と思ってしまい、お互いが苦しくなってしまう。そんな危機感を持っていた」と話してくれました。
移住希望の潜在層を掘り起こしていくためにも、仕事や働き方を通して地域に関わる仕組みをつくることで、田舎にあまり興味がなかった人たちにも関わりを持ってもらい、移住ありきではなく、まずは地域との深い関係性を作れるように、企業と地域をマッチングできる仕組みについて考えていたそうです。
そのタイミングでLIFULLの井上社長から「地方創生推進部を立ち上げるから戻ってこないか」と声をかけられたことから、再びLIFULLで働くようになります。

星さんはLIFULLへ再就職後、地方創生推進部の立ち上げ、全国版の空き家バンクや空き家の担い手育成プロジェクトの立ち上げ、LivingAnywhere Commonsの立ち上げと、新しい取り組みに数多くチャレンジしています。

現在、星さんの仕事の中心となっているLivingAnywhere Commonsは、「人々を場所の制約から解放し、いつでも好きな時に、好きな場所に暮らし、学び、働ける社会の仕組みを構築すること」をミッションとして掲げています。
LivingAnywhere Commonsの拠点利用者は、これまでフリーランスで働く方の利用が多かったと言いますが、新型コロナウイルスの影響で様々な企業がテレワークを認めるようになり、最近では企業に所属しながら個人で利用する方も増えているそうです。
「いろいろな働き方をしている方と出会える場になってきました。さらに、拠点利用した地域を気に入り、現地で法人を立ち上げた方、移住してゲストハウスを立ち上げた方も出てきています。LivingAnywhere Commonsから面白い動きが生まれ始めていることがとても嬉しいです」と話してくれました。

この仕事も諦めたくない、子供たちには田舎での共生の暮らしを感じて欲しい。だから子供を連れて地域に飛び込み、地域で暮らす

15年程東京を拠点にしている星さんですが、1年の1/3程度は全国各地を飛び回る生活でした。しかし、1人目のお子さんが生まれたタイミングで、その生活を続けるか悩んだと言います。
「自分自身、会津で生まれ育ち、田んぼや地域の人に囲まれて育ち、自然や多世代との関わりの中で学ぶものも多かったので、上京した時から情報発信のスキルを身につけたら子供が産まれるタイミングで福島にUターンしたいと思っていました。でも、全国に足を運ぶほど、いろんな地域と、都市部の人・企業をもっとつなぎたくなりました。地域に関わりたいしこの仕事を諦めたくない。でも子供たちには田舎での暮らしを感じて欲しいし、いろんな人と関わってほしい」と考えていたそうです。
LIFULLに再就職するタイミングは、一人目のお子さんが2歳の時でした。それまでは現地の一時預かり保育施設なども利用していた星さんでしたが、子供連れでもいろんな地域へ行き、地域の方々としっかり話をして地域活性の事業に携わりたいという思いを、LIFULLに誘ってくれた当時の上司に伝えたといいます。
「上司は『LIFULL FaM』という子供を連れて出勤できるママの就労支援事業を見ていたこともあり、これからはそういう働き方も面白いんじゃないかと言ってくれて、子供と一緒に色々な地域へ行くようになりました」と笑いながら話してくれました。

新型コロナウイルスの影響で、会津地域でも地域外からの子供を預かってくれる施設への制限が多くなっている今、子供連れで仕事をすることが増え、改めて磐梯町の人の温かさをより感じているそうです。
「役場に行ったり、地域の方々と打ち合わせしたりする時に子供を抱っこしながらでも話を聞いてくれて、『子供は元気が一番、お母さんたちの働き方も考えていきたい』と受け入れてくださる方が多くてありがたい」と星さんは言います。
自然や食べ物のことを教えてもらうだけではなく、時には悪さをする子供を叱ってもらうこともあるとのこと。星さんの子供たちにとって磐梯町は多世代との関わりを学べる場にもなっているそうです。
ご主人も星さんの働き方に理解を示してくれているといいます。フルリモートの働き方を生かして、長期滞在の場合は家族4人で磐梯町に行ったり、星さん一人で1泊2日などの短期滞在で地域に行き仕事をする場合には、東京でワンオペで子供たちを見たりしてくれているそうです。

会津地域は自然が豊かで、首都圏ではなかなか体験できない遊びが出来るのも魅力。二人のお子さんは水が好きで、ずぶぬれになって雪山や川、近隣の猪苗代湖などで遊んでいるといいます。

また、磐梯町はトマトが名産品。トマトが苦手だった星さんのお子さんも、一度、磐梯町産のプチぷよという甘くてやわらかいトマトを食べたら、それからはフルーツのようにパクパク沢山食べるようになり、毎年トマトの時期になると、「◯◯くん(※生産者のお名前)のところに行きたい!」とリクエストするそうです。食を通じて、地元の方々とのつながりも感じていると言います。

子育てと仕事のはざまで行き詰った時には、磐梯山をみながらドライブ。窓を少し開けて、朝晩の冷えた空気をすぅっと吸い込むと気持ちが落ち着いてくるそうです。

デュアラーのスキルと地域のお困りごとがマップ化されたら面白い

星さんが採用に携わり、地域おこし協力隊の方が立ち上げた、空き家相談所兼交流拠点

星さんに磐梯町での仕事のやりがいをお伺いしました。
「人口約3300人の小さなまちですが、スピード感があり、面白い方々が地域の中や外部から集まってきているなと感じています。磐梯町の人たちと、外部の方々がコラボレーションできるように、町民の方々にチャレンジしたいことを聞き、ビジョンやワクワクを共有して、共にコトを起こしたいと思ってくれる外の人や企業を引っ張ってくることがやりがいの一つです」。
外の人や企業を繋いで終わりでなく、面白いプロジェクトが立ち上がって自走できるまで伴走していきたいという星さん。これからも磐梯町に関わっていきたいと楽しそうに話してくれました。

また、二拠点生活を送る人と地域との交流をより深めるためのアイディアも教えてくれました。
「デュアルライフをする人はスキルを持っている人が多いなと思っていますが、地域に関わりたいけれど関わり方がわからない、という声も聞きます。一方で地域も、デュアルライフや移住の魅力を伝えようとするけれどPRが下手なんだよね、とか、屋根の雪おろしや夏場の草むしりが大変、といった“ちょっとしたお困りごと”も、地域の人を知って関わることができる『関わりしろ』という貴重なコンテンツなんじゃないかなと思っています。スキルと地域の困りごとをマップ化して、地域では『こんな困りごとがある』というような『関わりしろ』を視覚化し、マッチングできるようなイベントなどがあれば面白いのではないか」と考えているそうです。

二次交通の課題や可能性についても話してくれました。
「LivingAnywhere Commonsの会津磐梯拠点から最寄り駅まで歩くと30分以上かかってしまいます。地方ではタクシーの台数も少なく、バスの路線も少ないので、最寄り駅から拠点となる場所までの移動をどうするかという『二次交通』も課題です。磐梯町ではアースカーと連携してカーシェアの実証実験を行っていますが、ライドシェアできる仕組みなども必要かもしれません。こうしたところは地域だけで解決するのではなく、関わりしろの1つとして、企業等と一緒にチャレンジできると良いですね」

今後、星さん自身のチャレンジとしては、東京を離れ地域に拠点を移し、『関わりしろ』が深い「地域」から「地方」へのデュアルライフに切り替えていきたいといいます。

「そんな生活をしていくために、教育などの制度を変えていきたいという思いがあります。私自身、初めは単身で地域を飛び回っていました。今、20-30代の若い方で多拠点生活をしている方も増えていますが、結婚や出産を機に見直さなくてはいけない時がきます。小中学校には区域外通学という制度がありますが、まだまだ一般的なものではなく、それぞれの学校にも負荷があるし、子供自身の負荷も大きいです。また、共働きファミリーも増えていますが、地域外に住んでいる未就学児を預かってくれる施設や制度はほとんどありません。預かってもらえる施設があっても、保育無償化の対象にはならないとのことで、一時預かり等の費用が自己負担しなければなりません。スキルを活かして地域に関わりたいけれど、子供が小さいから…と、今は諦めている同世代の方もいます。仕事としての地域との関わりも、子育ても両立し、子供たちに豊かな自然を体験させられるような世帯がどんどん増えるよう、仕組みづくりについて様々な自治体や企業と話をし、幅広い方々が移動をして人口をシェアしていけるような仕組みづくりに挑戦していきたい」と話してくれました。

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