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株式会社toiz 取締役
一般社団法人にいがた圏 プロジェクトマネージャー
大塚 眞(おおつか まこと)さん

デュアルライフにチャレンジしてほしい。デュアルライフ、最高!

  • #地方暮らしが好き

  • #副業・兼業

  • #新潟県

北海道生まれ、神奈川県横浜市育ちの大塚眞さん。現在は新潟県十日町市をメイン拠点として、東京や静岡、鳥取など全国各地を飛び回る生活をしています。
2012年3月、学生時代の友人と一緒に株式会社toizという地域プロモーションなどを手掛ける制作会社を立ち上げました。「ミスターまくら投げ」という異名を持つ大塚さんは、2013年から全日本まくら投げ大会の企画・運営を始め、温泉街の活性化を目的としたイベントを開催しています。そのほか、各地方のフリーマガジンやウェブサイトの制作、PRなど地域活性化や地方創生に関わる仕事をしています。

また、会社経営の傍ら、株式会社第一プログレスで発行している「TURNS」という雑誌で、農家・移住関連のインタビュー記事専門ライターとしても活動中です。
元々は東京を拠点とし全国各地へ向かう生活をしていた大塚さんですが、東京や各地の仕事をオンライン中心に変え新潟に住むことで、さらに新潟での仕事の幅が広がったといいます。
全国各地で新しい仕事を生み出し続け「デュアルライフ、最高!」とさわやかな笑顔で言い切る大塚さんにデュアルライフの魅力や新しい地域と関わるために必要なことを教えてもらいました。

東日本大震災のボランティアが「人の役に立てた」という原体験に

2011年、大塚さんは学生の時に東日本大震災を経験しました。
当時、東京の大学に通う学生だった大塚さんは、大学で公共政策や地域づくりなどを学んでいたこともあり「自分でも何か出来ることがないか」と考え、石巻や南三陸、山元町、気仙沼などにボランティアとして通い始めました。その経験は大塚さんの中で、とても大きな衝撃だったといいます。
「大学生を毎月40人ぐらい集めて旅行会社にボランティアバスを出してもらい、現地でボランティアをしていました。倒壊した家屋の片付けをしたことがあったのですが、2日間で半分ぐらいしか終わらなかったんです。それでも現地の人からは『本当にありがとうございました』と泣きながら言われました。」
大塚さんにとって「人の役に立てた」という原体験となっているそうです。

それを機に、大塚さんが役に立てることは地方にあるのではないかと気付き、地域活性化や地方創生に興味が湧いてきたといいます。そこから全国各地に行ってフリーペーパーなどのプロダクト制作や、地域活性のためのプロジェクトを進める仕事等をするようになりました。
2013年には、全国から大学生を十日町市へ集めてフリーマガジンを制作。その頃から十日町市の面白さに魅せられていき、移住促進PRにも関わっているうちに大塚さん自身も腰を据えて新潟で何かやりたいと思い、2015年から新潟拠点の生活を始めることになります。

「人」に惹かれて新潟を拠点に

全国各地を回った大塚さんですが、新潟をメイン拠点に選んだ理由は「人」なんだそう。
「地域って閉鎖的だと言われているけれど、ここはオープンマインドな方が多いなと感じています。その中でも十日町市は着物の産地で、昔から人の往来があった地域なので、私のようなよそ者でも一緒に何かやろう!と、受け入れてもらっている」といいます。

大塚さんの十日町市での最初の居場所は、ギルドハウス十日町という住み開き(※)をしている所でした。ギルドマスターと呼ばれる家主の西村さんが古民家を改装して作った、人が集まるための場所です。(※住み開き、とは住んでいる場所を無理のない範囲で他の方へ解放すること)
基本的に滞在費は不要で、友達の家に泊まるような感覚なんだそう。そこには世界中から芸術家や、起業家、音楽家、地元企業に通勤するサラリーマンなど目的やバックボーンが違う方々が集まります。かけがえのない出会いがあるギルドハウス十日町は「貨幣ではなく価値を交換することが出来る場所」だと教えてくれました。

十日町市をメインの拠点にすることで、より地域の深いところまで関わることが出来るようになったのが、一番大きな変化だと感じているそうです。

「例えば、市の職員の方でも、市役所職員という枠を超えて1人の人間として関わってくれます。社会的な枠を超えて関わることが出来る人の近さというのは、首都圏とは大きく違うところなんじゃないかな」と大塚さんは話してくれました。

地域と血の通った関係性を作ることで生まれる、新しい仕事

新潟に住んでからは、地元の中小企業からの相談が増えたそうです。
「『業務を効率化させたい』『良いホームページを作りたい」』などWeb制作の相談が来たり、地元の企業が新しく何かやりたいというときに一緒に計画を作ってプロジェクトを進めていったり、ということが出来るようになった」と嬉しそうに話してくれました。

デュアルライフによって拠点が増えることで、住居費、交通費などの費用がかかりますが、大塚さんの場合は人や地域との関わりが増えたことで収入も上がったそう。単なる拠点間の移動ではなく、そこへ行く必然性や、その地域で役割を持てるような関係性を意識して作っていくことが重要だと教えてくれました。

大塚さんは十日町市に2018年10月、asto(アスト)というシェアオフィス&シェアアトリエを地元企業との共同事業としてオープンし運営をしています。百年を超える地元の染料企業の倉庫二階、元社員寮を購入し、リノベーションしました。
どこか懐かしさを感じる味わい深い建物やインテリアと一緒に、アートも沢山飾られていて、美術館のような美しさと心地よさを兼ね備えた空間です。現在、利用される会員の方は30人程。astoには情報や人が集まる場所になりました。

常にアクティブに各地で活動する大塚さんにとって、人の繋がりが増えることが一番の原動力。astoが出来たことで、移住の促進や新しく起業される方の相談窓口の役割を果たし、新しいビジネスや交流が生まれる場となっています。

デュアルライフにチャレンジしてほしい。デュアルライフ、最高!

大塚さんが新しい地域で生活や仕事をしていくときに、大切にしていることを教えてもらいました。
「仕事を取ってやろうとか、自分の物を売り込んでやろうっていうのは後からの話。まずはその地域の人たちと血の通った関係性を作ること。その地域に入って、人間同士の関係性を深めていくことが全てを上手くするための秘訣じゃないかなと思います。」
そのためにまずは、自分自身がこの地域に対して何ができるのかということを考えて実行することが、絶対に必要だといいます。

また、よそ者としてその地域に入っていくときにはお互いの歩み寄りが必要だとも感じているそうです。
「偏見や常識、慣習をお互いが理解しなくてはならないなと思っています。よそ者は地域に対するリスペクトを忘れてはいけないし、新しい人に地域の常識を押し付けるのも違うのかな、と。訪ねる側も受け入れる側も、両方とも歩み寄っていかないといけない」と言います。

大塚さんは「デュアルライフ最高なんですよ!」と満面の笑みで話してくれました。
「人生が2倍にも3倍にもなり、自分の可能性を広げることが出来る。今のままでいいのかな?と悩んでいる方にはチャレンジしてほしい」と言います。
もちろんリスクもあり、コストが増えたり、家族のカタチが変わったりする可能性もあります。でも、自分の人生がよりワクワクしたものになったり、充実したりする可能性を秘めているのがデュアルライフなのではないかと大塚さんは考えているそうです。

デュアルライフに興味はあるけど踏み切れない、という方へのアドバイスとして、自分が今までの生活を変えるコストと、変えたことによって何が得られるのかを整理すること。経験してきた人たちの生の声をたくさん聞いて、自分の中でサンプルを集めていくこと。
そして、あくまでも「デュアルライフ」は手段なので、自分がどんな人生を歩みたいのか、どんなライフスタイルが理想なのかを明確にした上で、その目的に対してデュアルライフが本当に適切なのか?ということを自分自身と向き合って考えることが重要だと教えてくれました。

十日町市の生活や拠点の情報を伝えるコンシェルジュになりたい

デュアルライフ歴が長い大塚さんに、デュアルライフをすすめるにあたって、行政等に求めることはありますか、と聞いてみました。
「コンシェルジュのような役割の人を配置してほしいと思います。案内役が地域にいて、民間と自治体等が連携することがとても大事だと思う」と感じているそうです。

案内役の重要性を自身の経験から感じていることもあり、astoや大塚さん自身がデュアルライフを考える人たちのコンシェルジュのようになることが今後の目標の一つだと話します。

また、スキー場の隣にある元旅館を購入したという大塚さんはそこをリノベーションして新潟を拠点にしたいと考える人の為に、無料で滞在できる0円シェアハウスのような場所にしたいと考えています。歩いて30秒でリフトに乗れる、スキーヤー&スノーボーダーにはたまらない好環境です。こうした『人と地域をつなぐ役割』を担うために、2021年6月には一般社団法人にいがた園を立ち上げて、さらに地域事業に力を入れています。

<9LDKの元旅館を購入してDIYしながら冬季の拠点として活用している>

デュアルライフに魅せられたデュアラー大塚さん。「『今』がいつだって一番若い!」と思って、これからもチャレンジをし続けていきたいと話してくれました。

撮影場所:シェアアトリエ asto
https://asto-t.jp/blank

新潟県でのデュアルライフに興味のある方へ

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