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  • 人や物事との新たな出会いを楽しむ、身も心も軽やかなデュアルライフ。

株式会社爾(じ)今(こん) 取締役 前田 将宏(まえだ まさひろ)さん

人や物事との新たな出会いを楽しむ、身も心も軽やかなデュアルライフ。

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 コバルトブルーに輝く海を間近に臨む女川駅前から、車で数分ほどの高台にある大きな一軒家。その中から「よろしくお願いします〜」と飄々とした自然体で現れたのは、前田将宏さん。この家は宮城県女川町で代々続く水産会社の旧社長宅で、地域内外でフリーランスなどで活動する数名とシェアし、現地に滞在する際の拠点として利用しているそう。「その会社のwebサイトの制作や管理をお手伝いしていて、ご好意でここを使わせていただいています」。

 現在、自身が立ち上げに携わった会社を含め、事業戦略やまちおこし、経営者コミュニティの運営、飲食店経営、人材サービスなど、幅広い事業を展開する4つの会社に所属し、国内各地を忙しく飛び回っている前田さん。「仕事を断れない性格で、やらなきゃいけないことが溜まっていて大変なんです(笑)」といいながら軽いフットワークで取材に応じてくれた前田さんに、様々な拠点で暮らすデュアルライフの魅力などについて本音で語っていただきました。

各地を渡り歩く中で、自然とデュアルライフを送るように

 前田さんは1カ月のうち、2週間ほどを東京、1週間ほどを女川町、そして残りの期間を名古屋や大阪、福岡などで過ごすデュアルライフを送っています。

 山口県出身の前田さんは親の転勤に合わせて徳島県、広島県と移り住み、大学進学で福岡県へ。北九州市立大学地域創生学群に入学しました。「正直、親元を離れて一人暮らしがしたいという理由だけで進学したのですが、そこで地域に携わる面白さなどを感じるようになりました」。

 大学を卒業してからは福岡県や熊本県の会社に勤務した後、友人が経営する会社に誘われ東京に移住しました。「移住や地方への移動などに全然抵抗がないんですよ。子どもの頃から色々な土地を転々としているからかもしれませんね(笑)」。

 その前田さんが女川町を一つの拠点とするようになったきっかけは、大学時代の先生や後輩が女川町とつながりがあり、「一緒に現地に行ってみない?」と誘われたこと。「2018年くらいに試しに来てみたら、町の人たちがとても優しくて楽しく過ごせたんです。それから何度も女川に呼んでくれて、次第に長く滞在するようになりました」。

多様な価値観にふれて、視野を広げる。

 「色々な地域を回っていますが、その中でも女川町に長くいたいと思っているんです。今週も可能な限り滞在しようと思っています」。そう語る前田さんが感じる現地の魅力の一つは自然の豊かさ。「海も近く、緑もあって。ゆったりとした空気が流れていて静かなので、仕事に集中して取り組めます。作業などやることが溜まったら、集中して一気に片付けようと女川町に来ることも多いですね」。

 そして、もう一つの魅力が人や物事との新しい出会い。そして、それこそが前田さんがデュアルライフを送る理由でもあります。「東京だと、どうしても“仕事つながりの人”たちと過ごすが多くなってしまうのですが、地方はコミュニティが狭い分、普段は出会えないような人たちと交流を持つことができます」と前田さん。「例えば、僕は仕事が命のような感覚なのですが、女川では仕事や給与よりも地元に貢献することや家族との時間を優先している同い年の人とも出会えました。自分とは異なる価値感に触れられると、『確かにそういう考えもあるな』と気付きがありますし、視野を広げることができます」と続けました。

 女川町では飲食店やコワーキングスペースなどで、たくさんの出会いがあったといいます。実際に前田さんと女川駅前の商店街を歩いていると、地元出身で飲食店を開いている方や、他の地方から移住して来た人たちが「今回はいつまでいるの?」と前田さんに気さくに声を掛け、店頭で談笑しているシーンが見られました。また時折、作業をするために訪れるというコワーキングスペースでも、多くの人と楽しそうに話し込んでいました。

ちなみに女川町での印象的な“初めての出会い”を尋ねると「ホヤはこっちに来て初めて食べましたが、一切だけで満足です!」と笑いながら答えてくれました。

自分で居場所を作るという選択肢。

 今後のデュアルライフの展望について前田さんは「これからも各地に生活拠点を増やしていきたいですね!」と語ります。その理由を「大きな計画や野望は何もなくて、これまで行ったことがない場所で、知らなかったものにふれたいという気持ちだけなんです」と言い切ります。「現実的には、ひとまず東京から通いやすい場所にしたいと思っていて、最近は長野や山梨あたりも面白そうだなと思っているんです」。

 また、仙台市の中心街にコワーキングスペースやシェアハウスを開設する計画も進行していると教えてくれました。「もし、行きたい所があっても仕事がなければ、そこに自分の居場所を先に作ってしまうという手もあります」と拠点づくりについて語った前田さん。

最後にデュアルライフを検討している方へのアドバイスを伺うと「とりあえずその町に泊まって、地元の人たちが集まる店で朝まで呑めばいいと思います。それを2、3回続ければ、面白い人たちとつながれて、町の雰囲気も体感できるはずです!」とオープンな性格の前田さんらしい回答。気負わずに、仕事もプライベートも楽しむデュアルライフの一つのスタイルを見せてくれました。

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