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東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
飯田 有紀子(いいだ ゆきこ)さん

「地域×キャリア」をテーマに、人との出会いを広げていく。

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取材場所に大きなバックパックを背負い、キャリーケースを引いて現れたのはNTT東日本に勤める飯田有紀子さん。東京にある本社で地方創生事業に携わっている飯田さんは、仕事で東北各地に出張する他、プライベートでも仙台で立ち上げた社会人有志組織の活動などを中心に、全国を飛び回るデュアルライフを送っています。

「このあとも高校生向けのプログラムに参加するため、山形に行くんですよ!もうデュアル(二拠点)どころじゃないですね」と快活に笑う飯田さん。移動の大変さについて尋ねると「大学時代には実家の静岡から東京まで、毎日新幹線で通っていたので移動には慣れているんですよ」と答えてくれました。

東京大学での学生時代から、インターン企画の運営や就職関連イベントの開催など、人のキャリア形成について考える機会が多かったという飯田さんは「地域×キャリア」が自身のテーマの一つだと語りました。「元々、人と会って話すのが好きなんです。それに加えて、地域や人のキャリアといった分野に興味があります」。

今回は、飯田さんがデュアルライフを送るようになった経緯や現在の活動内容、今後の構想などについて伺いました。

初任地の仙台で社会人プログラムに参加。デュアルライフのきっかけに

飯田さんは大学卒業後、NTT東日本に入社しました。「会社が取り扱っている、教育や観光、農業といった地域課題に興味関心があり、インターンに参加しました。入社の決め手になったのは、そこで出会った当時の採用担当者に『地域密着が強みだよ!』といわれたことです」。

入社後、飯田さんの初任地となったのは、縁もゆかりもない仙台。配属直後は研修や資格取得に向けた勉強など忙しい日々を過ごしていましたが、1年目の夏を過ぎると時間に余裕ができるようになりました。

「学生時代から、さまざまなイベントに参加していたので、同じように会社とは別の居場所が欲しいと思いました。ただ、いきなりよくわからない社会人の集まりに参加するのは不安なので、初めは復興庁が主催していた2日間のハッカソンに参加しました。振り返ると、そこに今の知り合いがたくさんいて。現在の活動につながる大きな一歩でした」。

それから多くの人とつながり、たくさんの情報が入るようになったという飯田さん。その後日、別のイベント後の集まりで参加者と盛り上がり、仙台IT飲み会に誘われ、参加するようになりました。「楽しみながら研究会に参加していたら、いつの間にか運営メンバーになっていました(笑)」と飯田さん。その後も、さまざまなイベントに足を運んだと振り返りました。

若手有志団体「ONE TOHOKU」を立ち上げ、精力的に活動中

いくつものイベントに参加する中で「自分でも何かしたくなったんですが、何をすればいいのかモヤモヤしていました」と飯田さんは、そのモヤモヤを解きほぐすために2018年の仙台市社会起業家育成プログラム(SIA)に参加。自らのビジョンや、やりたいことを明確化し、プレゼンテーションを行いました。その時に生まれたアイデアが、2019年3月に第1回目を開催した「Fantro bar(ファントロバー)」でした。

このイベントは、若手社会人のモヤモヤをシェアし、「不安を吐露する場」。ドリンクやおつまみを持ち寄り、先輩方の体験談を交えたパネルセッションや、モヤモヤしていることを話し合うというものでした。

「誰かに『こうしたらいい』と押しつけられるよりも、スナックのようなゆるい雰囲気の中で、モヤモヤを気軽に吐き出せる場にしました。そっと寄り添うことで背中を押して、将来の可能性を広げることができればうれしいと思っています」。

また、活動の中で出会った多くの仲間と共に、2018年に東北の若手有志団体「ONE TOHOKU」の立ち上げに加わりました。全国の大企業による有志団体「ONE JAPAN」にインスパイアされた組織です。

「ONE JAPANの立ち上げメンバーだった会社の先輩から、『仙台で熱い方がいる』と繋げていただいたのがきっかけでした。最初はどんなことができるか分からなかったのですが、みんなで話し合い、大きく4つの場として位置づけました」。

その4つとは、「交流の場」「スキルアップの場​​」「組織を良くする場​」「東北を面白くする場​」。例えば「東北を面白くする場」では、若い人たちが活躍できるまちづくりを目指して、「若者まちづくりラボ」を定期的に開催し、グループワークや地域活性化に向けた社会実験などを行っています。

2022年4月には一般社団法人「ONE TOHOKU HUB」として法人化を果たしました。これには、若者の働き方の多様化をサポートするという意図もあるといいます。「例えば副業を意識した活動を構想しており、有志よりも法人の方がプロジェクトを動かしやすいのも理由です」。実際に同団体では宮城県と連携し、県外への人材流出などについて調べるため、飯田さんも県内の女子大生にヒアリングを行いました。

2020年7月に東京に転勤となった飯田さんですが、Fantro barやONE TOHOKUの活動に尽力しており、仙台で行われるONE TOHOKUのミーティングには、出張時にあわせて参加するなど、できる限り足を運んでいるといいます。「情報のキャッチアップのためもありますが、何よりみんなと話すのが楽しいんです!行けない時もチャットで話したり、何かしらのかたちで参加しています」。

デュアルライフにおける仙台の魅力

「人と対話したり、人と人をつないだり、自分がやりたいことの結果として、デュアルライフになっています」という飯田さん。これからの活動について、「地域のコミュニティデザインにより深く関わって、さまざまな人のキャリア支援をしたいと思っています。その一つのかたちとして、別の地域でFantro barを開催することなども考えています」と話してくれました。

デュアルライフの1拠点として仙台の印象を伺うと、「まず、東京からアクセスしやすいのがいいですよね」といい、さらに「コミュニティの大きさも、ちょうどいいと思っています」と続けました。

「東京だとコミュニティの規模が大きく、一方で仙台はコミュニティが大きすぎないので、まちづくりの手触りのようなものを感じながら活動することができます」。

そんな飯田さんに、デュアルライフに興味がある人へのアドバイスを伺うと「もし、活動したい地域に馴染みがない人は、まず仲間をつくることから始めた方がいいと思います」と話しました。「特にローカル度合いが増すほど『あの人と知り合いで』というと、周囲に溶け込むのがスムーズになります。そのために移住イベントや1DAYイベントのような、軽めのイベントで知り合いを増やしつつ、徐々に興味がある中長期の本格的なイベントに参加すると、活動が長続きすると思います」。

2023年に30歳という節目を迎えるにあたって、自身の拠点探しも検討しているという飯田さん。「今後もずっと仙台、東北と関わり続けていくつもりです!」と、持ち前のバイタリティーで人をつなぎ、その輪を広げながら、地域とキャリアの可能性も広げていきます。

宮城県でのデュアルライフに興味のある方へ

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