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副業で確定申告は必要?判断基準とやり方を徹底解説

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副業を行う場合には、確定申告の手続きについて知っておく必要があります。なぜなら一定の条件を満たす場合には、会社員であっても年末調整とは別に確定申告を行わなければならないからです。

今回は確定申告の必要性を判断する基準を解説したうえで、具体的な方法や必要書類、注意点などをご紹介します。

副業の定義

「副業」とは、本業以外で収入を得る方法を指す言葉です。アルバイトや在宅ワーク、内職といったさまざまな形態を幅広くとらえた用語です。

まずは副業の定義について、類似した用語との違いを踏まえながら見ていきましょう。

「副業」とは、一般的に本業よりも少ない労力や時間で行う仕事を指します。本業の空き時間を利用する稼ぎ方であり、補完的な収入を得ることが目的です。

アルバイトや在宅ワーク、内職などのさまざまなスタイルがあり、また株式投資なども副業に含まれる場合が多いです。

「複業」とは、その名の通り複数の企業に就業する働き方です。複数の企業から給与を受け取る点が特徴であり、それぞれの業務には優劣をつけないことが副業との大きな違いです。

複数のプロジェクトや案件に従事して、それぞれの業務においてある程度の責任や権限を持つのが一般的です。

「兼業」とは、企業で働きながら、自らも起業して事業を行う働き方です。複業と同じように、それぞれの業務に対して責任と権限を持って取り組むのが特徴です。

なお厚生労働省のガイドラインでは、「複数の本業に従事する状態」と定義されており、複業と同じような意味で用いられるケースも少なくありません。

「パラレルキャリア」とは、本業と並行してセカンドキャリアを築くために行う活動全般を指します。副業や複業、兼業と比較すると、収入よりもキャリア形成に重点を置いた考え方であり、さほど収入を見込まない活動も含まれるのが特徴です。

会社員の副業で確定申告が必要になる判断基準

次に「副業と確定申告」の関係性を詳しく見ていきましょう。会社員(給与所得者)が副業を行った場合、どのようなケースで確定申告が必要となるのかについて解説します。

副業で確定申告が必要になるのは、副業による年間の所得が20万円を超えた場合です。本業の収入とは別に、20万円以上の所得があった年には、勤務先での年末調整とは別に個人で確定申告を行わなければなりません。

具体的なルールをまとめると、確定申告が必要なのは以下のどちらかに該当する場合です。

①1ヶ所から給与の支払いを受けており、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える
②2ヶ所以上から給与の支払いを受けており、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合で、年末調整されなかった給与の収入と給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える

たとえば、会社員の方が株式投資を行い、損益の計算などを行ったうえで20万円以上の所得が発生した場合、確定申告が必要となります。一方、あくまでも「所得」が対象なので、副業の売上が20万円を超えていたとしても、経費を差し引いた金額が20万円を下回っていれば確定申告は不要です。

副業による年間所得が20万円以下の場合、原則として確定申告は必要ありませんが、場合によっては積極的に申告をしたほうが良いケースもあります。それは、副業の収入や報酬から所得税が源泉徴収されている場合です。

たとえば、原稿料や講演料などは源泉徴収の対象となるため、このような収入がある場合は確定申告によって還付を受けられる可能性があります。また医療費控除や寄付金控除を受けたい場合には、基本的に年末調整では対応できない(ふるさと納税のワンストップ特例制度は除く)ため、確定申告を行う必要があります。

副業の確定申告はどうすればいい?

実際に確定申告が必要となった場合には、どのように手続きを進めれば良いのでしょうか。手続きにおける主な注意点について詳しく解説します。

副業による収入の多くは、「雑所得」に分類されます。雑所得では青色申告を利用できないため、白色申告を行います。

ただし、帳簿作成や書類の保存を適切に行っているなどの条件を満たしていれば、副業も「事業所得」とみなされて青色申告を利用できる場合があります。青色申告は「最大65万円の特別控除が受けられる」「赤字分を繰り越せる」といったさまざまなメリットがあるので、利用できるかどうか確認しておくと良いでしょう。

確定申告の申告期間は、対象となる所得があった翌年の2月中旬から3月中旬までの1ヶ月間です。雑所得の収入や経費については、入出金があった時期ではなく「対象業務を行った時期」で計上する点に注意しましょう。たとえば、ある業務に対する入金が翌年の1月にあったとしても、納品自体は前の年の12月に行われていた場合には、収入や経費は前年度のものとして計上します。

副業の確定申告には、主に次のような書類が必要です。

・確定申告書
・本業の給与所得の源泉徴収票
・副業の収入に関する書類
・マイナンバー関連書類
・青色申告関連書類(青色申告を行う場合)
・各種控除を受けるための必要書類(生命保険料控除証明書など)
・銀行口座(還付を受ける場合)

確定申告書は税務署や役所で入手できますが、国税庁のホームページからダウンロードする方法が手軽なためおすすめです。

国税庁ホームページ blank

確定申告の方法には窓口申請や郵送などのパターンがありますが、「e-Tax」を利用すれば、パソコンやスマートフォンなどから手軽に確定申告を済ませられます。いつでもどこでも手続きが可能であり、還付金などの手続きもスピーディーなので便利です。

副業の確定申告は余裕を持って準備しよう

確定申告は2月中旬〜3月中旬に行う必要があります。万が一手続きが遅れると延滞税が課せられてしまうため、余裕を持って準備を進めておきましょう。

確定申告の準備で行っておくべきことを時期ごとにご紹介します。

確定申告を行う所得は、前年の1年分が対象となります。そのため、毎月こまめに収入と支出を帳簿に記録しておくことが大切です。

どのような支出が経費として扱えるのかを調べたうえで、収入だけでなく必要経費も計上しておきましょう。

余裕を持って確定申告の手続きを行うためには、12月ごろには必要書類の準備をスタートしておくのが理想です。源泉徴収票や支払調書、各種控除の証明書など、入手できるものから1つずつそろえていきましょう。

確定申告書以外の必要書類については、2月頃にはすべてそろえておくのがベストです。そのうえで、確定申告の期間が来たら確定申告書を作成しましょう。

3月の段階でまだ手続きを終えられていない場合は、確定申告の期日に注意して速やかに必要書類を提出しましょう。「e-Tax」を利用すればオンラインですべての手続きを済ませられるので、時間がないときにも便利です。

国税庁「e-Tax」blank

副業の確定申告はしないとどうなる?

副業をしていても年間の所得が20万円を下回る場合には、基本的に確定申告は必要ありません。しかし、副業所得が20万円を超えているにもかかわらず、確定申告を怠った場合には、「無申告加算税」や「延滞税」などのペナルティが生じる恐れがあります。また故意に悪質な脱税を行ったとみなされれば、「ほ脱(不正な手段による脱税行為)」の対象となり、「5年以下の懲役もしくは最大500万円以下の罰金、またはその両方」が科せられてしまいます。

必要であるにもかかわらず、確定申告の手続きを怠ってしまうと大きなペナルティが科せられてしまいます。手続きのし忘れや遅れには十分に注意し、必ず期限内に済ませましょう。

まとめ

副業を行う場合、基本的には年間所得が20万円を超えると、本業の年末調整とは別に自分で確定申告を行わなければなりません。確定申告を行う必要があるにもかかわらず、手続きを怠ってしまうと無申告加算税などのペナルティが発生してしまうので注意が必要です。

副業の確定申告は、全体の流れや必要書類を把握していれば、それほど難しくありません。安心して仕事の可能性を広げるために、基本的なルールを理解しておきましょう。

※この記事は2023年12月現在の情報を基に作成しています。今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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