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確定申告は副業で必要って本当?概要や流れを解説

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副業を行うとキャリアアップや収入アップを期待できますが、確定申告への理解も大切です。

当記事では、副業で確定申告が必要・不必要なケースや、手続きの方法について解説します。収入が発生すると所得税を納めなければなりませんが、確定申告では経費計上や控除によって、節税できる可能性もあります。正しい知識を獲得し、見通しを持って副業を行いましょう。

確定申告は副業を始める場合必要になることがある

副業を行う場合、年間の収入額次第で確定申告が必要です。副業を検討している方の中には、手続きの方法が分からずにためらっている方もいるでしょう。

収入があるにもかかわらず確定申告を行わない場合、納税通知書による支払いの催促や無申告加算税・延滞税を課せられる可能性があります。副業と確定申告への理解を深め、明瞭な収入の管理を行いましょう。

確定申告が必要となる副収入の基準金額は20万円です。副業による年間の所得が20万円を超えると、原則として申告に必要な書類と収入の帳簿を揃えて、所得税を納めなければなりません。

ただし、これは所得税についての金額です。住民税に関しては収入額にかかわらず納税が求められるため注意しましょう。

確定申告の基準である20万円は副収入の金額から経費を差し引いた後の所得額に適用されます。例えば、副業による収入が30万円で、そのうち経費にできる費用が20万円あった場合、確定申告は必要ありません。

ただし例外として、住宅ローン減税や医療費控除を受ける場合は収入額にかかわらず確定申告が必要です。手間はかかりますが条件次第で大幅な節税が見込めるでしょう。

確定申告とは?副業でも必要?

ここからは確定申告の概要を解説します。なぜ確定申告が必要なのか理解を深めましょう。

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日の間に得られた、所得に応じて税金を国に納める制度です。手続きの期限は所得を得た年の翌年2月16日から3月15日と定められており、原則として申告の前倒しはできません。 会社員の場合、本業の収入は年末調整の形で会社が納税してくれます。しかし、副業は個人の収入のため、自分で納税する必要があります。

前述した通り、会社員の場合は確定申告ではなく、年末調整の形で会社が所得税を納税してくれます。この際、必要事項を記入することで配偶者控除や生命保険料控除が適用可能です。

一方、副業は個人で扱うため、本業で年末調整を行っている場合でも別途20万円以上の所得がある場合は確定申告を行います。年末調整を受けられる会社は1カ所のみのため、副業を行う方はもちろん、アルバイトの掛け持ちをしている場合なども該当します。

副業における確定申告の流れ

初めて副業する場合、確定申告の経験がない方も多いことでしょう。ここからは、副収入による所得が20万円を超えたときに備えて、確定申告で必要な3つのステップを解説します。

確定申告では、納める所得税を自身で計算します。正確な金額を把握するためにも、年間で得た収入と経費を証明できる請求書や領収書を控えておきましょう。副業で得た収入額を把握する場合は、副業用の銀行口座を別途開設し、家計とは別に管理する方法がおすすめです。

また、専用の口座を持っていることで、報酬を支払うクライアント側から信用を得やすいといったメリットがあります。

収入が明らかになったら、次は経費として計上できる金額を把握して帳簿に記入します。経費計上しなければ、所得税が収入額にそのまま反映されてしまいます。最終的な収入を必要以上に減らさないために、使用した経費を明らかにしましょう。

なお、経費として計上するには、事業との関連性が認められなければなりません。以下に、副業で経費として計上できる費用の代表例を記します。

在宅での副業やコワーキングスペースを利用する場合、月々の家賃や貸しオフィスの利用料金を経費にできます。このとき、自宅の場合、事業に関連したスペース分しか経費にできない点に注意しましょう。自宅の全スペースのうち、経費計上できる範囲を「家事按分」と呼びます。

なお、家賃やコワーキングスペースの利用料金は確定申告では「地代家賃」の勘定科目を用います。住宅ローンを支払い中の持ち家なら、住宅価格に償却率と家事按分をかけて「減価償却費」として計上しましょう。なお、償却率は対象となる資産の耐用年数や償却方法に応じて変化します。詳しくは国税庁や所轄の税務署への確認がおすすめです。

前述した「家事按分」は、家賃だけでなく電気・水道・ガスなど光熱費も同様です。自宅兼事務所の形で副業するなら、事業用の使用割合に応じた「水道光熱費」として計上できます。

光熱費の按分ですが、主に2つの方法で算出可能です。1つは事業で使う床面積の割合で計算する「占有率」、もう1つは事業に使用する時間の割合で計算する「使用率」です。それぞれで算出される金額が異なるため、確実かつ算出しやすい方法を選択しましょう。

接待交際費とは、営業活動や接待などで発生するお金です。例えば、クライアントや営業先の担当者と食事をしたり、お世話になっている企業へお中元を送ったりすると、経費として計上可能です。なお、確定申告で使われる勘定科目は「接待交際費」に該当します。

接待交際費は事業との関連性を示しにくく、しばしばグレーゾーンとして扱われます。必要以上に接待交際費を計上すると、税務署から指摘されるため注意が必要です。確実に経費計上したい場合は「誰と食事したか」「いつ食事したか」など、詳細をメモ書きで記載しましょう。

副業で使う文房具やコピー用紙、PCやソフトウェアなどは、購入金額を経費にできます。例えば、クライアントとの連絡手段に月額型のチャットツールを導入した場合、月々の利用料金が経費として計上可能です。

なお、備品類は購入金額に応じて勘定科目が異なります。10万円未満なら「消耗品費」「事務用品費」の費用として、10万円以上なら「備品」「器具備品」の固定資産として処理します。10万円以上20万円未満の備品なら、少額の資産を3年で均等に分割して経費とする「一括償却費」での計上可能です。固定資産で処理するより簡易的で節税効果も高いため、該当する備品がある場合は積極的に用いましょう。

スマートフォンの月額利用料や自宅のWi-Fiなど、事業に用いるインターネット回線は「通信費」として経費計上できます。ただし、通信費は家賃や光熱費と同様、家事按分の対象です。事業でのみ回線を使用するなら全額計上できますが、プライベートと兼用なら家事按分しなければなりません。

もし、本格的に副業で収入を増やしていくつもりなら、事業用としてスマートフォンを契約した方が利便性向上につながります。

収入と経費がすべて集計できたら、お住まい地域の税務署かオンラインサービスを使って確定申告をしましょう。初めての確定申告で不明点がある場合は、必要書類をもらう際、税務署で相談しておくとスムーズに進められるでしょう。

参考までに、確定申告はオンラインサービスの「e-Tax」を使うと、税務署へ行かなくても済ませられます。e-Taxでは納税証明の発行や開業届の提出など、税や起業にかかわる手続きをオンライン上で完結できます。自宅から税務署までが遠い場合や、仕事で忙しい方におすすめです。

参考:合わせて知りたい青色申告と白色申告

実際に確定申告する場合、青色申告と白色申告の2つの方法があります。ここからは、初めて確定申告する方に向けて、青色申告と白色申告の概要を解説します。

青色申告とは、毎日の収入と費用を会計帳簿に記帳して申告する方式です。青色申告を利用するには、開業届を提出している個人事業主が、青色申告の対象期間としたい年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

青色申告を利用するメリットは、主に以下の通りです。

  • ・最高65万円の所得税控除を受けられる

  • ・特定の損失を3年間繰り越しできる

  • ・未回収の代金を所得から減額できる

  • ・取得金額が30万円未満の固定資産を一括計上できる

デメリットは貸借対照表の作成が義務付けられる点です。青色申告は白色申告より手間がかかるものの、高い節税効果が望めるでしょう。事業所得を得る場合は青色申告がおすすめです。

白色申告とは、青色申告を申請していない事業者に適用される申告方式です。青色申告のような税務上のメリットが少なくなるものの、一連の手続きを簡略化できます。経費計上できる費用がほとんどなく副業の収入も少ない場合は、白色申告の選択がおすすめです。

ただし、節税効果は青色申告の方が有利にはたらきます。そのため、本格的に副業へ臨む場合や収入の増加が見込める場合は開業届と青色申告承認申請書を提出し、青色申告を行いましょう。

まとめ

世間的に確定申告は「手間がかかって面倒なもの」というイメージが定着しています。しかし、正しく申告すると収支を明らかにでき、控除も受けられるメリットがあります。特に、経費計上や保険料の控除は積極的に活用していきたいしくみです。

もしも、確定申告に必要な家事按分や減価償却、青色申告など難しい計算が苦手という方は、最寄りの税務署や税理士事務所など専門家へ相談することもおすすめです。また、1年目は不慣れなことから多く労力がかかりますが、回数を重ねるごとにスムーズに申告作業が行えるでしょう。

「デュアルライフ東北・新潟」では、副業や二拠点生活に関するさまざまな情報や体験談をご紹介しています。多様なキャリア形成やライフスタイルに触れられるきっかけとして、ぜひご活用ください。

※この記事は2024年2月現在の情報を基に作成しています。今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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