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全日本空輸株式会社 客室乗務員
會田 聖実 (あいだ まさみ)さん
工藤 月花(くどう つきか)さん

秋田テレビ株式会社 メディア技術局 メディア戦略室長 部長
進藤 裕樹(しんどう ひろき)さん

自分にとっての大切なものを気付かせてくれたデュアルライフ

  • #地方暮らしが好き

  • #副業・兼業

  • #秋田県

全日本空輸株式会社(以下、ANA)に客室乗務員として勤めている會田聖実さんと工藤月花さんは、秋田と東京でのデュアルライフを送っています。飛行機への乗務を続けながら月に8日は秋田テレビ株式会社にも勤務し、TV番組やYouTubeに出演して秋田の魅力を発信しています。

東京出身、東京育ちの會田さんは初めて地方での一人暮らし。秋田県潟上市(かたがみし)出身の工藤さんは地元へUターン。出身などは違う状況のおふたりですが、秋田に暮らし仕事を通じてより深く地域を知ることで、秋田がとても大切な場所になったそうです。
また、デュアルライフを送る中で、仕事とプライベートのバランスなど人生の優先順位や、自分にとって本当に大切なものが見えてきたといいます。

會田さんと工藤さんが秋田テレビで勤務するのは1年という限られた期間。だからこそ出来ることを尽くして秋田の良さを多くの人に届けたいという強い想いがあるそうです。お二人に秋田の魅力や、デュアルライフへのチャレンジから得られたものについてお伺いしました。

また、秋田テレビでこの事業を担当する進藤裕樹さんにもお話を伺いし、おふたりの仕事ぶりや、異業種から副業人材を受け入れたことでどんな影響があったのか、今後の展望についても教えていただきました。

客室乗務員としてのキャリアを続けながらの初挑戦

新型コロナウイルスの感染拡大は、渡航制限や減便など航空業界にも多大な影響を及ぼしました。ANAでは客室乗務員の地方への移住や副業・兼業を認め新しい働き方を推進し、各地域と連携した事業を展開しています。 その中で、秋田テレビとANAの地方創生事業が連携し「移住兼業」という働き方で飛行機への乗務を続けながら秋田に住み、秋田テレビの番組やSNS等で秋田の魅力を発信するという取り組みが始まりました。

會田さんは「秋田を全く知らない自分が行くことで、新鮮な視点で秋田の素晴らしさをお伝えできるのではないかと思いました。この機会に、全く知らない場所に行ってみたい、という気持ちも強かったです」と話してくれました。

一方、秋田出身の工藤さんはコロナ禍で行動が制限される中、東京にひとりで暮らし、こみ上げる思いがあったといいます。

「家族に会いたいという気持ちから故郷への思いも強くなり、秋田に貢献できることはないかと考えるようになりました。地元のテレビ局での仕事なら秋田の魅力を多くの人に伝えていけると思い、志願しました」と、それぞれの状況から前向きにチャレンジして進んでいきたいという熱い想いがあったことを教えてくれました。

また、客室乗務員としてのキャリアを続けながら、新しいことにも挑戦できる環境に惹かれ、フライトを離れる出向ではなく、兼業が出来るデュアルライフを選択したといいます。現役の客室乗務員としての経験を兼業先でも活かせるという、今までにない新しい働き方ができる点に面白さも感じたそうです。

デュアルライフという働き方で触れた新しい世界

會田さんと工藤さんの秋田テレビでの勤務は月に8日、ANAでの勤務は10日程度です。フライトがある日は秋田空港から羽田空港へ飛行機で移動し、国内線のフライトに乗務して、また羽田から秋田へ戻るというスケジュールで働いています。秋田テレビでの業務も取材先の予定に合わせて動くことが多いため、日々、変則的なスケジュールで過ごしているそうです。

デュアルライフになったことで移動数は増えましたが、秋田空港から羽田空港まで飛行機なら1時間で着くので通勤もそれほど苦ではなく、客席に座りお客様目線を体験することでたくさんの発見があるといいます。

「飛行機に乗るときのワクワクする気持ちを感じたり、客室乗務員に求められていることに気付いたり、通勤時間も勉強になっています」と會田さんが話してくれました。

一方、秋田テレビでは、TV番組やYouTubeに出演、番組の企画作りというこれまでに経験したことのない仕事ばかりだといいます。

「イチから企画して、秋田のこれを知りたい、ここに行きたい、この人にスポットを当てたいと考えることは客室乗務員の仕事にはないことなので、好奇心を掻き立てられます」と工藤さんは話してくれました。

兼業となったため、フライト数が減り休日は増えたものの、フライト前や取材前など、どちらの仕事も下調べが必要なため、休日に事前準備をすることも。やりがいや楽しさを感じている一方で、2つの仕事の切り替えの難しさにも直面しているそうです。

秋田テレビでの勤務は1年と決められている中でのデュアルライフへの挑戦だったからこそ、まずはやってみようと思うことが出来た半面、秋田での充実した時間を過ごすうちに秋田への想いも強くなり、短い任期で何かできるかと、焦りも感じているといいます。少しでも秋田に役に立てることをしたいと毎日考えて過ごしていると教えてくれました。

秋田とのデュアルライフで大切なものが見つかった

好奇心旺盛なおふたりは、デュアルライフを始める前も今もほとんど不安はなく、むしろこの機会を精一杯活かし、新しいことにチャレンジできることを喜び、刺激的な毎日を楽しんでいるそうです。

會田さんは「私たちは新卒でANAに入社し、これまでがむしゃらに客室乗務員の新人として頑張ってきました。コロナ禍という状況だからこそデュアルライフに挑戦できて、出会える人も見える世界も2倍になりました」と話してくれました。

デュアルライフのおかげで、東京出身の會田さんにとっての第二の故郷が秋田になったそうです。

工藤さんはデュアルライフをすることで、これまでよりも視野が広がったといいます。

「人生における優先順位がみつかったかなと思います。仕事と、家族と過ごす時間など、自分にとって大切なものは何かを20代半ばで考えることができました。どちらかを諦めたり転職したりするのではなく、まずは2拠点で生活してみてその後で、自分の中で好きな方を選択するのもありなのかな、と」気付きがあったことを教えてくれました。

おふたりとも忙しい仕事の合間にリフレッシュとして、秋田の豊かな自然を満喫したり、家族や友人と出かけたり、秋田テレビの仕事の中で得た地域の知識をプライベートでも活かしているそうです。 秋田の人の温かさや豊かな自然に触れることで息抜きをして、プライベートも仕事も充実しているのが嬉しいといいます。

航空会社のデュアルライフの可能性

新型コロナウイルスの影響で働き方が大きく見直されることとなり、会社の方針によりデュアルライフを選択したおふたりですが、想像以上に得るものが多かったといいます。

「航空会社の強みは、国内や海外の各地に支店があることです。ANAの仲間がいて、支店があることで地域と会社のつながりがすでに出来ているので、初めての地でのデュアルライフでも安心でした。客室乗務員が住むことで、地域の方々により親しみを持ってもらえる機会になるし、客室乗務員にとっても成長できる経験になり、面白いのではないでしょうか」と會田さんは考えます。

工藤さんは「海外や離島で働いたり、ワーケーションしたりするのももっとメジャーになればチャレンジしやすくなると思います」と話し、おふたりとも航空会社ならではの働き方にも目を向けていました。

また、サポート体制の重要性を感じたといいます。おふたりはANAや秋田県移住・定住促進課によるサポートがありましたが、『デュアルライフをやってみよう』と思ったときに情報や資金面での補助制度などがもっと充実したら、新しい働き方として選択しやすくなるのでは、と感じたそうです。

「コロナ禍を経験し、今後も何が起こるかわからないと感じる中で、本当に自分がやりたいことや豊かな人生って何だろうと、きっと皆さんも考えるタイミングがあったんじゃないかと思います。たった1回の人生なので、挑戦してみてほしいです。旅行じゃなくて暮らしてみないと見えないものもとても大きいし、やってみたら楽しいです」と會田さんは笑顔で話してくれました。

これからも秋田やデュアルライフに関する情報発信を続けていきたいと考えているそうです。「秋田県は人口が減少しているので、秋田をまだ知らない人に知ってもらったり、秋田に帰りたいなと思ってもらえたりするようなきっかけづくりをしたいです。秋田で頑張っている若者の紹介とかも面白そう」と、ふたりで話していました。

デュアルライフが生む新しいビジネス

秋田テレビでは、初めて異業種の副業人材を受け入れました。担当している進藤さんは、最初に話を持ち掛けられた時に「畑違いの人材を、短期間で受け入れても意味がないのではないか」と思ったそうです。しかし、この先の未来を見据え、企業として進むべき道も模索しなければいけないと感じ、新しいコラボレーションからいいものが生まれればという想いから、受け入れを決意したといいます。

「會田さんと工藤さんがいなければ、YouTubeやInstagramの活用が積極的には進まなかったかもしれません。会社としても、明るく前向きになっているように感じます。テレビ局としても副業を認めるような、働き方を変えていくキッカケになるかもしれません」と話してくれました。

また、この事業を受け入れ側として継続していきたいと考えているそうです。

「Eコマースの世界展開も考える中で、航空業界とのコラボレーションは非常に面白いと感じました。1年で終わってしまうのはもったいないので、ふたりが何年でもいてくれたら嬉しいし、ANA から毎年新しい人が来てくれるのも面白いなと思います」と将来の展望も語ってくれました。

逆境を逆手に取り、むしろ楽しんで前進する會田さんと工藤さんは「何かを諦めなくても視点を変えれば新しい世界が広がる可能性がある」と感じたそうです。デュアルライフでの経験は、今後のキャリアにも活かせる、かけがえのない財産だと話してくれました。

秋田県でのデュアルライフに興味のある方へ

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