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Interviewインタビュー

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東北ウェルネス倶楽部 代表
村岡 葉子(むらおか ようこ)さん

チアリーダーや会社員時代の経験をもとに、心と体の健康をサポート。

  • #地方暮らしが好き

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  • #岩手県

コンサートやライブに利用される本格的なホール、ミュージックルーム、アトリエなど、多くの活動スペースをそなえた岩手県北上市の「北上市文化交流センター さくらホール」。その一室、壁一面のダンスミラーの前で、時に冗談を交えながらウェルネスダンスのレッスンを行っていたのは村岡葉子さんです。レッスン終盤には東北楽天ゴールデンイーグルス(以下、楽天イーグルス)などのチアリーダーとして活動していた経験を活かし、“ポンポン”を使ったダンスも取り入れていました。

「元々、体を動かすことが好きで、幼少期にクラシックバレエを始め、大学時代には新体操に打ち込んでいました」。

そう明るく話す村岡さんは、現在、仙台市と北上市を拠点とするデュアルライフを実践しています。村岡さんは、中高年をはじめ幅広い世代の心と体の健康をサポートする「東北ウェルネス倶楽部」を2022年に立ち上げ、ダンスやヨガなどのインストラクターとして活動中。また、近年は自身の移住経験から北上市のまちづくりに寄与するなど活躍の幅を広げています。

今回はそんな村岡さんに挑戦を続けるご自身のキャリア、デュアルライフの経緯や現在の様子、今後の課題などについて伺いました。

楽天イーグルスのチアリーダーとして仙台へ移住

埼玉県出身の村岡さんが、初めて東北との関わりを持ったのは、2016年に楽天イーグルスのチアリーダーになったこと。最初の就職先での、約4カ月のカンボジア研修がチアリーダー挑戦のきっかけになりました。

「現地に小学校をつくりにきた人や飲食店を経営している人など、刺激的な人たちに出会って、自分の本当に好きなことをやっても良いんだと考えるようになりました」。

当時、社会人アメフトのチームでチアリーダーをしていた村岡さんは、憧れだったプロ野球のチアリーダーに挑戦しようと、楽天イーグルスのオーディションに参加。その時は「軽い気持ちで受けた」といいますが、結果は合格でした。

「まだ会社員だったので『受かっちゃった!どうしよう?』という感じでしたね。でも、滅多にないチャンスなので挑戦しようと決意しました」。

それから会社に相談し、タイミングを見計らって退職した村岡さんは、初めて関東を離れ、仙台での暮らしを始めました。

「こんなに住みやすい場所だとは知りませんでした。気候も関東に比べて過ごしやすいですし、街の機能がコンパクトに集まっているので移動も楽ですね。昔は通勤に片道2時間半もかかっていましたから」。

楽天イーグルスに所属していた間、試合の際はチアリーダーとしてパフォーマンスを披露し、それ以外の時間は練習や球団職員として勤務するなど、約3年間、夢を実現しながら忙しい日々を送りました。

「大変なこともたくさんありましたが、挑戦してよかったですね」。

そう振り返る村岡さんは、2018年をもって楽天イーグルスのチアリーダーを引退した後も関東に戻ることなく、スポーツマーケティング会社に入社。仙台市内にあるアリーナの運営や営業などにあたりました。

「環境もいいし、新たな人間関係を築くことができ、もう戻りたくなくなってそのまま仙台で働くことにしたんです」。

インストラクターとして独立し、北上との2拠点生活を開始

仙台で会社員として勤務していた村岡さんは、北上市で地域おこし協力隊をしていた友人がいたことから、何度か現地を訪れるように。その中で、仙台とは異なる魅力に惹かれるようになったといいます。

「豊かな自然があって静かなことも魅力ですが、何よりも人とのつながりがとても密接なことに驚きました。一番びっくりしたのは友人が近所の人から野菜などをおすそ分けしてもらっていたことです。これは仙台でも考えられないことでした」。

村岡さんは2020年末頃から仙台と北上でのデュアルライフを開始することになりましたが、その大きな契機となったのが新型コロナウイルスの感染拡大。イベントなどを開催できなくなった勤務先が副業を解禁したことでした。初めは仕事のシフトに合わせて仙台で週に1回ほど、子ども向けに新体操のレッスンを始めますが、徐々にイベントなどが再開されるようになり、副業との両立が難しくなったといいます。

「副業を持ったことで、働くことへの意識が変化しました。例え収入が減っても会社に縛られず、自分の好きなように働けたらいいなと考えるようになったんです。そして、それが北上なら実現できると感じました」。

そしてインストラクターとして独立した村岡さんは、仙台と北上を拠点とし新体操やダンスのレッスンにあたるように。さらにウェルネスダンスやヨガビリー(※)といった、より“健康”を重視した活動に力を入れるようになりました。これにはご自身の会社員時代の経験が反映されています。

※ヨガとリハビリを組み合わせ、老若男女誰でも楽しめるように考案されたプログラム。

「会社員として勤務していた頃は、体を動かさなくなってフラストレーションが溜まったり、体調を崩しやすくなっていて。自分のことをあまり大切にできていなかった感じがあったんです。その時に健康の重要性を改めて体感し、心と体を健康な状態に保つことで、自己実現を叶えるお手伝いができればと思いました」。

その思いを胸に村岡さんは2022年に北上市で「東北ウェルネス倶楽部」を立ち上げ、定期的な教室以外にも、お母様が教える茶道とのコラボレーションなど、新しい取り組みにもチャレンジしています。

知らない地域との出会いが、人生を豊かにしてくれる

現在、村岡さんは週の半分ずつを仙台と北上で過ごしています。「私には、デュアルライフがとても合っていますね。両地点を移動することも好きですし、リラックスしながら自分がやりたい活動をするために、今では仙台だけでも北上だけでもダメだったと感じています」。

北上の好きな場所のひとつとして、「the campus ~トロイカの森~」を挙げてくれました。「風景もいいし、お料理も素敵で大好きな場所です。ここでヨガのレッスンができたら幸せですね」。

充実した日々を送る村岡さんですが、デュアルライフがより普及するために必要だと考えている課題が住居の問題です。「現状だと、例え月に半分しか居住していなくても、1カ月分の家賃は発生してしまいます。シェアリングサービスも増えてきていますが、例えば荷物を置いたままにできるスペースがあるなど、デュアルライフに利用しやすいシステムがあると嬉しいですね」。

そして村岡さんは今後について、拠点を増やしていきたいと語りました。「仙台や北上などに移住してみて、『実は静かな所が好き』といった自分自身について初めて気づくことがたくさんありました。さらに新しい場所を知ることで、人生がより豊かになっていくと思います」。

現在、デュアルライフを検討している人に対して「気になる地域があれば、まずは行ってみるのがいいと思います。実際にその地域の空気を感じて、地元の方とふれあってみないと、その地域と自分との相性もわかりません」とアドバイス。「自らのロールモデルとなりそうな人に連絡を取ることもおすすめです」と教えてくれました。「移住系のWebサイトやSNSなどを通じて、話を伺ってみるのもいいかもしれません。もし私で良かったら、気軽に連絡してください!」。そう心強いエールを送ってくれました。

岩手県でのデュアルライフに興味のある方へ

岩手県は、かつて宮沢賢治が「イーハトーブ」と名付け、心の中の理想郷として愛したふるさと。個性豊かな人々がいて、それぞれに岩手暮らしを楽しんでいます。そんな一人ひとりのこだわり方・暮らし方を、「部活動」の楽しさに見立て、移住ポータルサイト「イーハトー部」を立ち上げました。

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